デニムを手に入れたら気になるのが、お手入れの仕方。経年劣化を楽しみたいけれど、洗濯をしてしまってよいのだろうか、できるだけ洗わずにデニムの変化を見ていきたい……と思っている人もいるはず。生地を傷めることなくきれいに洗い上げるためには、洗剤が大事だと重本さんはいいます。おすすめは「液体の中性洗剤で洗うこと」なのだそう。
中性洗剤は衣服に与える影響は少ないものの洗浄力は弱く、赤ちゃんの服やおしゃれ着の洗濯に向いています。一方で、弱アルカリ性の洗剤は衣服には多少影響を与えますが、洗浄力が強くなっています。そのうえで、液体より粉の洗剤のほうが化学変化が起きて色が落ちやすくなるのだそうです。
「デニムははいていくと伸びていきます。そうなると、生地に隙間が出来て薄くなり、破れやすくなります。また洗わずに着用を続けると着ている人の汗や皮脂によって菌が繁殖しやすくなっていき、生地の劣化につながります。通常のデニムは綿などの天然素材でできているものですから、直し屋としてはケアをして永く履いてほしいという思いはありますね」。
デニムはケアをしていれば何十年も長持ちさせることも可能になるのだそう。重本さんのお話を聞いていると一本一本のデニムを大切にしていこうという思いになります。
